
こんにちは。
なかなか、他の人のブログのように面白いことは書けていないと思うが、自分の経験をもとに独自の文章を書いていけたらと思う。
早速ではあるが、筆者はインドネシアにある人材紹介会社で働いていた。
そこではインドネシア人求職者、日本人求職者を主に日系企業に紹介する営業として働いていたが、そこでの経験が今のキャリアにかなり役立っているように感じる。
今回はそれについて話をする。
そもそも、人材紹介の営業って何?
人材紹介会社は、人を雇いたい企業と求職者の間を仲介する会社だ。
インドネシアでの人材紹介会社は、日系企業から求人をもらい、その求人に対して求職者を紹介、無事入社したらお金をいただくビジネスモデルだ。
“インドネシア 求人” と検索してくれれば、何社か出てくる。
筆者はそこで営業として働いていた。
簡単に業務を紹介すると、
日系企業の採用担当者、その権限を持つ人に対し営業をかけて採用活動についてのニーズを探る。
ニーズがある場合、企業の依頼内容に応じて、求人票を作成する。
その求人に対し、求職者の紹介、書類応募、面接設定、結果フォロー、求人の微調整などを行う。
無事内定すれば、採用となり、入社までのバックアップを行う。
簡単に言えばこのような仕事だ。非常にシンプルだ。
一見すると学びがないようにも思われるが、この仕事を通じて非常にたくさんのことを学んだ。
その中でも、一応採用側としての検知を深められたことがキャリアに大いに役立っている。
今回は、その説明をする。
大きく分けて3つの能力がついた。
■求人票からその先にあるニーズを読む力
人材紹介の営業は、企業の採用担当者(企業によるが日本人駐在員が多い)と、どんなポジションで、どのような人材が欲しいのかを話し合い、求人票に落とし込む。
よくある、営業求人、給与いくら、経験年数いくら、勤務地どこ、etcが乗っている票のこと。
この求人票を作っていく過程でいろいろな学びがある。
駐在員は仕事ができる人が多く、かつ頭も良いし経験もある。
ポジションは管理職であることが多いため、高い視座から必要な人材像をある程度明確にして求めている。
そのような人たちと話すことで、自ずと、必要なポジション、必要な人材像をどのように求人票に落とし込むかがわかってくる。
そうなると、求人票の文言から、本当はどのような人材が求められているのかを想像できるようになる。
例えば、日系専門商社、営業職、営業経験3年以上、給与20jt~30jt(インドネシアの現地採用の最低に毛が生えたレベル) という求人があったとしよう。
この文言だけで的確にニーズを把握はできないが、さまざまなことを推測できる。
たとえば、この求人は営業のプロではなく、最低限の営業スキル、適正、社会人スキルを持つ人を求めていることがわかる。
営業経験3年以上:難易度の高い業務というよりは、日系企業に対するフロントとして最低限+アルファの働きを期待されている。
給与20jt~30jt:20jtはインドネシアの現地採用業界では最低+アルファだ。また、30jtも管理職というよりは、現場で働く人の給与になる。企業は20jt~25くらいを想定していて、よほど良い人材がいたときのために幅を持たせ30jtまでにしているケースが多い。
人物像はこうだ。
日系企業に対する、一人の日本人担当者としてのある程度のクオリティで仕事ができる年齢は20代から30代前半。(リクルートで10年!総合商社で10年!)のような営業のプロが働いてくれるなら良いが、給与は出せないよ。と言った感じ。
説明すると、
専門商社(またはメーカー)であれば、顧客の数は多岐に渡る可能性が高い。
その中で重要なプロジェクト、重要顧客の営業、管理業務は駐在員が行い、担当レベルの営業活動は現地採用が行うパターンがある。
駐在員を置くには業務レベルが軽いし、現地スタッフでは物足りない。
ただ、日本人であれば誰でもよい、というわけではなく最低限の社会人スキルに対人コミュニケーションスキルが欲しい。
と言った具合だ。
では、この求人のニーズを知ることでどのようなベネフィットがあるか。
それは自分が応募のターゲットになるか、自分のニーズを求人が満たすかを確認できることにある。
たとえば、自分が営業経験のないバックオフィス歴3年、体育会系出身(パワハラOK)の元気のある人間でバックオフィスよりも営業がやりたいとしよう。
独身で、とりあえず海外で働きたい状況だ。
求人を馬鹿正直に見れば、応募できないかなと思うが、そうではない。
上で説明したように、求められているのは社会人としての最低限のスキル+営業に耐えうる人間だ。
若いことでポテンシャルも見せられる。
さらに、給与が安くても良い独身のため、給与が安くても構わない。
どうだろう、求人にマッチしているだろう。
このように、求人の先にあるニーズが読めるようになる。
■どのような求職者が採用担当に好かれるかがわかるようになる。
これは、求人票から採用担当者の好みがわかるという話ではない。
書類選考、面接において、足切りを突破しプラスアルファ良い印象を与える、
で、最終決定は相性に委ねる、ことができるようになるということだ。
どういうことか、
人材紹介の営業は、求職者の面接後には必ず企業側にフィードバック、結果を訪ねることになる。
そこではある程度の本音が企業、求職者の両方から聞ける。
どういうところが良くない、こういうところが良い、等々。
そうすると、人によって好みが分かれるものと、ある程度皆同じ感想を抱くものに分かれる。
こういうところが良くないとされる求職者の特徴として、というのは大体、嫌な人、変な人、などに収束してくる。
これらを頭の中にストックしていくと、自然と企業担当に好かれる(嫌われない)人材像が見えてくる。
そうすると、自分の経歴、性格をベースに、企業に好かれるように見せられるようになる。
あまり自慢に聞こえると良くないが、筆者はこれで転職活動時に4社受けて3社から内定をもらった。
おちた1社はそもそも採用を途中で中止した。

■求人票にないポジションでも雇ってもらえるようになる
おまけとして、上2つの合わせ技のようなものがある。
おさらいすると、ニーズを読む力、好かれる人間がわかる力、この二つがある。
この2つの力があると、求人にないポジションで雇ってもらえる可能性が出てくる。
たとえばあなたが、日本で働く、20後半〜30前半男性で、メーカーの生産管理経験者だとする。
体育会出身で体力があり、ある程度の大学に行った能力もある。
現地の言葉をある程度理解し、その国で長く働く気がある状態だ。
状況として、生産管理に現地採用で行きたいが経験年数(マネージメント力)を求めるポジションが多く、なかなか応募ができなさそうな状態だ。(大手製造業では、生産管理の駐在員+現地生産管理スタッフという組み合わせが多いため、長期の経験が求められる)
ある小さな日系製造業で生産技術及び生産管理を募集している。
給与が30jt前後だ。
求人の詳細には、現場作業に加え、マネージメントをしてもらう、ゆくゆくは拠点責任者、などと書いてある。
これを見た時に、どう感じるであろうか。
技術系に興味はあるけど、生産管理しか経験ないし、マネージメント経験もない。
厳しそうかな、、、、、
確かに一見そう見えるが、ニーズを考えてみると可能性が出てくる。
たとえば、
小さな日系製造業であれば、生産管理、生産技術、経理、と言った部門を細かく持っていない。
業務自体はあるが、部門を分けて何十人も採用する仕事量、体力(資金)がないのだ。
そうすると、ある程度の業務範囲をカバーできる人が必要になる。
反対に言えば、特定の分野のプロでなくとも雇ってくれる可能性があるということになる。
ではどのようにして採用の台に乗るか。
ここで大事なのは、やる気、可能性、人間性を見せること。
今回でいえば、製造業が好きで、生産管理はもとより、技術系にも幅を広げたい。
現地の言葉を話せ、しっかり根付いて行きたい。
体育会系出身で多少の無理はききます!
上記のポイントをアピールできれば、採用される可能性が高まるのだ。
と言ったぐあいに、人材紹介の営業を経験して得た知識はなかなか役に立つ。
では、この辺で。ありがとうございました。
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