現地採用を進めるブログや人材紹介会社で頻出の謳い文句の実態を、実際に現地採用として人材エージェントで勤務した筆者が解説していくシリーズ、第一回
”現地採用は、英語を使えて英語力が伸びる!”
現地採用を扱うブログ記事等でよく見かける文言ではないかと思う。現地社員と英語でコミュニケーションをとるので英語力が伸びるというやつだ。
海外で現地人と働く、英語を使う、→なんか英語ができるようになりそう!
確かに、一見するとまともな考えだ。
確かに英語は使う
そう、確かに仕事上や、プライベートで英語を使用する機会は多い。現地社員とのコミュニケーションは主に英語で行い、たまに日本語を話せる現地社員がいる程度だ。
ただ、これで英語力が伸びるかといえば、そうではない。
日常使う英語は2パターンある。
定型で済むもの、そうでないもの、だ。
どこどこを間違えているので直してください。いつまでのどの資料をください。といった連絡。インボイス、POの発行といった決まった枠での処理。
このような、事務処理や定例業務では定型の英語で済むだろう。定型的な英語であればある程度の基礎があれば、慣れですぐにできるようになる。
問題は、そうでないもの、の方だ。
会議や商談のような、自分の意見を表現する時に使用する英語がそれだ。
A案とB案どちらが良いか、その理由は何か、実際に自分の頭で考え、それを英語に変換する。
定型的な英語であれば頭を使うというより反射に近いのではっきり言えば楽にできる。一方、自分の意見を英語で表現するとなると、一気に難易度が増す。

現地採用では、定型的な英語ですむことがほとんど。
現地社員との業務連絡は定型的な英語でほとんどが済んでしまう。
お客さんは日本人がメインなので日本語で済む。(インドネシア人の窓口もいるが、英語が話せないことが結構ある)
社内会議も日本人上司とのやりとりは日本語だ。
現地社員のマネージメント、拠点のマネージメントに携わるようになれば、現地社員のマネージャーを巻き込んだ会議や、全体MTGなどで、より高度な英語を使うようになる。
ただ、仕事を無難にこなすという点では高度な英語は不要だ。
本当の意味での英語力を向上させたいのであれば、自分から現地社員へのコミュニケーションを高度化させたり、会議に参加するなど仕事でより上流に行かなければならない。
それには、日々英語の勉強や、仕事での下準備、さまざまな努力が必要になる。
定型的な英語のみで負荷をかけずにいると、海外就職をしたがほとんど英語力が伸びないという結果になる。
英語力向上の必要がない、英語に興味がないといった背景があれば定型の英語で良いが、みんながイメージする英語力は後者であろう。
結局、何が言いたいか
現地採用として海外に行くだけでは、英語力は伸びない。簡単な定型分はすぐにできるようになる。
だが、いわゆる本当の意味での英語力を伸ばすには、それなりに負荷をかける必要がある。
現地採用で働けば英語力が伸びるという幻想を抱いてしまうと、痛い目をみることになる。
追伸
筆者の英語力はひどいものだ。
ただ、ペーパーテストはできる。
2~3ヶ月、金のフレーズ、金のセンテンスをやり込みTOIEC800点以上とることができた。
下記の記事を見てもらいたい。
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