現地採用賞賛の記事を読んでみた感想〜日経〜タイで働く若者、2年連続20%昇給 現地社員、駐在員削減で好待遇

現地採用

日経ビジネスでこのようなタイトルの記事があった。

”タイで働く若者、2年連続20%昇給 現地社員、駐在員削減で好待遇”

タイで働く若者、2年連続20%昇給 現地社員、駐在員削減で好待遇
海外日系企業の現地採用日本人スタッフの地位が大きく向上しつつある。駐在員を減らし、人材の現地化を進める企業の戦略転換が背景にある。日本に負けない稼ぎで生活を楽しむ「ニュー現地採用」の表情は明るい。

要約すると、

  • タイで現地採用として働く20代女性
  • 家賃は安く、豪華なコンドミニアムに格安で住んでいる
  • 日本時代よりも手元に残るお金が多い
  • 日本よりも住みやすい

こういった類の、現地採用を取り扱う記事は、現地採用の悲惨さを誇張して伝えるもの、現地採用を必要以上に持ち上げるもの、2パターンに分かれる。

今回は、必要以上に持ち上げる方だ。

この記事のタグが、”アジア出稼ぎ日本人 人材大流動時代に生きる”なので、

日本オワコン、海外バンザイの内容であることは想像できる。

記事が書かれたのは2024年2月、急激な円安、GDPがドイツに抜かれ、実質賃金マイナス、と読者の興味が海外に向いていた頃だ。

こういったタイトルの記事はアクセスが稼げるのだろう。

真面目に考察するのは少しアレだが、考えていく。

■日本より物価が安く、贅沢な生活ができる

よくある話。

日本よりも物価が安いので、高級コンドミニアムに住めて、エステ、外食、旅行と私生活を楽しめると良く言われる。

言い方が悪いが少し考えが浅い。

住居費は確かに安い、が

確かに、豪華なコンドミニアムに安く済むことはできる。

ジャカルタやバンコクの中心部にある高級コンドミニアムでも、5~9万円のレンジに収まる。

そして、サウナやジムが併設され、部屋も広く眺めも良い。

だが、シャワーの設備(温水の出が弱い)、水回りの設備(漏れ、水捌けが悪い、つまる)等のトラブルも結構ある。

また、済む場所のことだけ考えるならそれで良いが、実生活はそれだけでない。

家電は高い。

iPhone、PCなどの家電は世界同一の価格なのでもちろん高い。

関税の影響で日本より高いこともしばしば

旅行はそんなにいけない

旅行も安く行けるのは同じ東南アジアや東アジアだけで北米、ヨーロッパは日本から行くのと同じくらいにチケット代がかかる。

現地採用の給与で行けるのは東南アジアだけ。

医療費

民間の医療保険に入らないといけないし、カバー範囲も金額も日本の保険制度には遠く及ばない。

日本食は日本より高い

日本食は日本と同じかそれ以上に値段がかかる。

吉野家などのチェーン店は日本より少し(数十円〜百円)安いくらい。

居酒屋は日本より高い。

■日本よりも住みやすい

人による。

引用記事は途中から有料のため、詳細はみていないので悪しからず。

確かに、若い独身であればそうかもしれない。

しかし、子育て、医療、健康、社会制度について考えると、日本の方が良い部分が多いと感じる。

特定の条件下で日本より住みやすいのはその通りだ。

■忘れていそうなリスク

現地採用は不安定な身分だ。日本の正社員のように法律で守られていない。

ことさら不安を煽るようなことは言わないが、一時的な円安、マスコミの日本叩き等で判断を誤るようなことは避けてほしい。

以上、ダラダラと意見を書いてみた。

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